【和菓子?洋菓子?】諸説の中で最もロマンチックな、カステラ由来説

カステラは 洋菓子なのか和菓子なのか

おやつにカステラを食べていて、ふと昔読んだ本のカステラ薀蓄を思い出したので、備忘録代わりにエントリにします。

カステラ(Wikipadia画像)
画像:Wikipedia より

もともとカステラは、スペインでビスケットの失敗作を食ってみたら旨かった。という偶然から生まれたらしいです。 これがスポンジケーキの発明です。

これが生まれた地方の名前がカスティーリャだったので「パン・デ・カスティーリャ」と呼ばれました。 (これの他に、同じスペイン発でも今で言うビスコチョみたいなのが起源だという説もありますが、ここではパン説をとります)

このスポンジケーキは、ヨーロッパのお菓子業界を震撼させる大発明で、一瞬にしてヨーロッパ中に広まりました。もちろんポルトガルにも伝わったわけです。そしてそれが…そう、長崎経由で「種子島」と一緒に日本にも広まりました。

つまり、カスティーリャの伝導のスタートラインは、日本とヨーロッパで、時期的には同じだったのです。=D

ちなみに、日本でのこの「カステラ」という名前の由来は諸説ありますが、「カスティーリャ」から取った、という説が主流のようです。

「龍馬伝」の影響で、カステラの伝導は江戸末期のように考えている人も多いですが、そもそものレシピの伝わりは1540年ごろ。もちろん、それは「スポンジケーキ」であり、いまのカステラではありませんでした=D

それでも、当時の感覚からすると「砂糖をふんだんに使った美味しいふわふわお菓子」というわけで、とんでもない高級スイーツだったことは言うまでもありません。

そしてその後、250年余に渡る江戸時代と、鎖国が始まります。 

鎖国が生んだ、スポンジケーキのガラパゴス化

その間、ヨーロッパでは、スポンジケーキに生クリームを塗ったり、薄くスライスしてフルーツを挟んだりと現在の「ケーキ」に繋がる進化が始まるわけですが、当然、鎖国している日本にはそういった情報は入ってきません。ここに、スポンジケーキにおけるガラパゴス現象が起こります。

スポンジケージ = カスティーリャの日本独自の進化が始まるのです。

独自進化1:カステラ鍋の発明

日本には「オーブン」がありませんでした。 調理は薪や炭での直火が基本です。 いくらカステラのレシピを教わったとしても、鍋に生地を入れての直火調理では、全体的に火が通ったふっくらな焼き上がりになりません…。

そこで日本人は、鍋の上に、鍋と同じく鉄や銅製の分厚い「フタ」を乗せ、さらにそのフタの上に炭を置いて全方位加熱するという方法を編み出しました。

これぞ和風オーブン=カステラ鍋です。

欧風オーブンの用に、空間内を輻射熱で高温にして「炙る」方法と違い、あくまで鍋+フタを高温にして全面的に「焼く」手法は、オリジナルの「パン・デ・カスティーリャ」とはまた違う、火が通りながらもしっとりした仕上がりを生み出す結果となりました。

独自進化2:情報不足による、進化ディレクションのズレ

さて、一方のヨーロッパでは、時代と共に「カスティーリャ」に次々と改良が加えられていきました。

前述の通り、その改良のディレクションは色々な物を「足していく」ディレクション。 生クリームを塗ったり、ジャムやコンポートを挟んだり、フルーツをあしらったり…。 そう、現在の「ケーキ」に繋がっていく進化の系統です。

ヨーロッパでのカスティーリャは、お菓子の「パーツ」としての完成度を高めていったわけです。

ですが日本では、世界でのそういったトレンドについて全く情報が入ってきません。 それでも、より美味しいものを食べたいという日本人の欲求は、カステラにも進化を要求します。

そこで起こった進化ディレクションは、欧米のそれとは全く違いました。 それは……

「より細かく攪拌する」「気泡を限りなく無くす」「より舌触りのよい触感にする」

…といった風に、

カスティーリャ自体の質を高めていく事に進化していったのです。

そうしてできたのが、カスティーリャ自身が主役である 「カステラ」です。

元はスペインでうまれたスポンジケーキ「カスティーリャ」だったお菓子が、同時期にヨーロッパと日本に広まり、そしてヨーロッパと日本で、全く違う方向に進化した事は大変に興味深い事です。

また「カステラ」が日本人の「素材の良さを重視する感性」に寄る所は日本人として、誇りたいと思いますね。
 

 

というわけで……

というわけで、カステラは「匠の技で単体昇華されたスポンジケーキ」だと言えます。

よく「カステラは和菓子なのか洋菓子なのか」という話が出ますが、この由来説をとるならば、カステラは起源はヨーロッパのお菓子ながらも、その精神を含めて完全に和菓子だと言えるでしょう。

なるほどーと思っていただければ幸いです。

今やカステラは、贈答向けの高級品からコンビニで買える安価なものまで、ものすごいバリエーションで日本に浸透しています。 鎖国とそのガラパゴス化自体についてはあれこれ論があると思いますが、ことカステラに限って、私は鎖国があってよかった! と思いますね。

ヨーロッパで生まれた洋菓子の赤ちゃんが、日本で育って和菓子となった…!

そんなロマンのあるカステラ由来説を、私は信じています。

※参考資料

  • Wikipedia:カステラ
  • 「カステラ!カステラ!」:明坂 英二 絵: 齋藤 芽生 出版社: 福音館書店
  • 「万国お菓子物語」:吉田菊次郎 :株式会社晶分社

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Wikipedia によると、こちらの福砂屋さんが最古参のカステラ販売のお店のひとつだそうです。 1624年創業だとか…すごい。

 

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